読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

育児や仕事についてのノート

育児休業中の公務員です。夫単身赴任、双方祖父母遠方ですがなんとかやってます。

東村アキコの良さ

最近東村アキコの漫画が好き。

 

最初に知ったのは、当時読んでいたモーニングで連載されていた「ひまわりっ」だった。 

 突拍子もない行動をとる父親を面白おかしく描いた半フィクションのギャグ漫画。コミカルな絵柄と予想を超える珍妙な父親の行動が面白い感じだった。

 が、その時の私はもう少しずっしりと重い漫画が好みで(例えば山岸涼子←リョウの字はほんとはにっすいなんだけど出せなかった)、普通に面白いけれどさほど気にすることもなく、同書の連載が始まってしばらくしてモーニングを読むのを止めてしまっていたので、そのまま「ひまわりっ」も読まないままとなった。

 

数年が過ぎ、ある日疲れた私は「あ~なんか寝っ転がりながらお鼻をほじって笑える漫画読みてぇな…」と思いつつ、かの大ヒット育児漫画「ママはテンパリスト」を手にとった。 

ママはテンパリスト 1

ママはテンパリスト 1

 

 これがその時の私のニーズに見事にマッチして、何度も読み返す愛読書となった。何のストレスもなくスラスラ読めて、しっかり笑える。これを読んだころは東村アキコ海月姫などもヒットし、有名漫画家だったのだが、何となく絵柄が好きになれず敬遠していたことを激しく後悔した。

 

そこで「ひまわりっ」の存在を思い出して読み、それから、ほかにないかなと思って話題になっていた「かくかくしかじか」を手にとった。 

 作者が漫画家になるまでのことを、恩師との関係を中心に描いた自伝的な作品。これは衝撃的だった。本作では、自らの未熟さも不誠実な行動も、正面から描かれている。それは読んでいて辛くなるほどのもので、読んでいるこちらも自分自身がえぐられていくのを感じた。一方で軽妙な絵柄や笑えるシーンも同居している。これが小説ならもう直視できず泣いて逃げ出すんじゃないかと思うんだけど、彼女らしい漫画表現でこそ感動し、楽しみながら読むことができた。

 

それでそのまま今ヒットしているこちらも読むよね。

 30を過ぎて仕事も恋愛もいまいちな女性たちが、もがきながら、失敗しながらも前へ進んでいく。もう目を覆いたくなるような本音が飛び交う本作は、笑いが満載なのに、こちらの自意識や見栄をグサグサ攻撃してくる。うん、これも、小説だったら私立ち直れないです…正直リアルの会話では決して出てこない、だけど現代の女性をとりまく恐ろしい世間の本音。すっきりした絵柄で愉快なストーリーなのに、ほとんどホラーみたいな読み応えがあるのに、それでも後味は悪くない。不思議なバランスの作品だと思う。来年には吉高由里子主演でドラマ化されるらしいから、楽しみだ。(漫画のドラマ化って、原作が面白いからといって成功するとは限らないよね。今期の逃げ恥や以前のコウノドリみたいに、ドラマ化したことならではの魅力を感じられるといいな。)

 

何となくスルーしていた漫画家さんだけど、今になって面白いことに気づいてよかったなあと感じた。